こんにちは!1UPきのこファクトリーです。
1UPマガジンではしいたけの美味しさの秘密や栄養素、国産きくらげが貴重なことをお伝えしてきました。
今回は1UPのハウスで働く人の様子や環境をご紹介!
1UPは実はただのきのこハウスではないんです!
1UPはただのきのこ栽培ハウスではない!
どういうこと?と思った方もいますよね。
簡単に説明しますと、1UPきのこファクトリーは就労継続支援B型事業所と連携し、障がいをもった方も働ける場所でもあるんです。
耳馴染みのない言葉がいくつか出てくるのでご存知ない方にも伝わるよう1つ1つ解説を入れていきますね。
就労継続支援事業所とは…
障がいや病気で一般企業での就労が困難な方を対象に、働ける場所を提供する福祉サービス。「障害者総合支援法」に基づく。
障がいや体調に合わせて自分のペースで働くことができ、知識や能力の向上のための訓練が受けられる。就労継続支援を行う事業所は、雇用契約の有無などの条件の違いにより、A型事業所とB型事業所の2種類に分けられる。
弊社では、働く場所(就労先)である「1UPきのこファクトリー」と
障がい者の方の支援をする就労継続支援B型事業所ぽっかぽかを運営し、支援と働く場所を1つの会社で運営しております。
なのでハウスでは、ひたすらきのこを栽培しているのではなく、障がい者の方が農業を通して成長できたりできることが増えることを目的とした場所でもあります。
B型事業所とは…
雇用契約を結ばずに働く事業所。障がいのある方が対象。障害や病気のために一般企業への就職に不安がある、または困難な場合に、軽作業などの就労訓練を行うことができる。障害や体調にあわせて自分のペースで働くことができ、一般企業やA型事業所への移行に必要な訓練が受けられる。雇用契約を結ばないため、賃金ではなく「工賃」として、成果報酬が支払われ、最低賃金を下回ることが多い。
利用料はA型事業所と同じく、世帯収入に応じてひと月あたりの上限額が決まっている。(最高上限額は月37,200円)
なぜ、就労継続支援事業所を作ったの?
弊社ではもともと、障がいをお持ちの方が暮らす住まいの場「女性専用の障がい者グループホーム」を長野県の中信に5施設運営しております。
障がい者専用グループホームとは…
障がいのある方が必要な支援やサポートを受けながら、共同生活を行うことができる住まい。「障害者総合支援法」に基づく福祉サービス。
食事・入浴・排泄などのお手伝いや金銭管理などの生活をサポートするスタッフや生活支援員がいる施設もある。アパート・マンション・一戸建て・公営住宅など、拠点の形態は様々。グループホームでの生活を通して、障害のある方の自立、社会的孤立の防止、生活不安の軽減や共同生活による身体的・精神的安定が期待できる。
「住まいの場」を作ってきた弊社が次にチャレンジできるのは「働く場」ではないかと思い、2021年10月に1UPきのこファクトリーと就労継続支援B型事業所ぽっかぽかをスタートいたしました。
農業という新しい事業と福祉を合わせた農福連携でもあったので、最初はもちろん紆余曲折ありながらも現在は15名程のスタッフ、約20名のご利用者様が1UPに通ってくださっています。
農福連携とは…
障がい者等が農業分野で活躍することで自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組。農福連携に取り組むことで、障がい者等の就労や生きがいづくりの場を生み出すだけでなく、担い手不足や高齢化が進む農業分野において、新たな働き手の確保につながることが期待される。
農福とは、単に農業と障がい者に限定されるものではなく、「農」は農林水産業や6次産業などの幅広い分野を指し、また「福」は障がい者だけではなく、高齢者や生活困窮者、触法障害者など社会的に生きづらさがある多様な人々が包摂される。
2019年6月に発信された農福連携等推進ビジョンでは、「農福連携を、農業分野における障害者の活躍促進の取組にとどまらず、ユニバーサルな取組として、農業だけでなく様々な産業に分野を広げるとともに、高齢者、生活困窮者、ひきこもりの状態にある者等の就労・社会参画支援、犯罪・ 非行をした者の立ち直り支援等にも対象を広げ、捉え直すことも重要である。」と明記された。その後、多くの場面で「農福連携」から「農福連携等」と表現されるようになった背景に、農と福のもつ意味の広がりが生み出す新たな価値への期待が込められている。
ネーミングを分けた理由
1UPきのこファクトリーと就労継続支援B型事業所ぽっかぽかと就労先と就労支援の区別をしっかりつけています。
「別にぽっかぽかという名前で販売すれば良いんじゃないの?」と言われることも。
ここが弊社代表のこだわりでもあるんです!
皆さんはお店で就労継続支援事業所が売り出している商品を見たことはありますか?
私も雑貨屋さんで素敵な染め物のバックに一目ぼれし、購入しようと値札を見たときに何でこんなに安いの!?と思ったことがあります。よくよく見るとそれは就労継続支援事業所で作ったものでした。素敵な商品で一般の商品とも全く違いがないものも安くされてしまうという現実があります。
なぜ一般の商品と全く変わらないのに、安くされるの?と私も心の底から思います。
もちろん、商品が売れなきゃ売上がたたず、低報酬になってしまうという理屈も分かります。ただ、そこの仕組みを変えなければ工賃はずっと低いサイクルになってしまいます。
弊社代表は、一般の商品と味も見た目も変わらない(むしろすごく美味しい✌)1UPのしいたけを「障がいがある」という理由だけ安くされることを避け、あえて「1UPきのこファクトリー」という商品のブランディングを行いました。
しっかりと商品に価値を作ることで、商品を買ってもらい、しっかりと売り上げを立てることを目的としています。
そもそも障がいの方が作った商品を見たことがない。という方もいらっしゃると思います。そういった商品は同業者や見学に来た方が購入していくなど、一般的な場所には販売しておらず、知らない人は見たことがない、買えないことが多いです。
そこを1UPでは、ハウスの工場長がしいたけやきくらげ自体を美味しく作れるよう品質管理や研究をし、営業担当が市内のスーパーさんや飲食店さんに営業しに行きます。
デザイナーは新たなパッケージや売るための商品開発をしたり、web担当がSNSの発信や記事の作成を行ったりと、それぞれの担当がそれぞれの分野でやっているので、福祉事業としてできなかった部分をやっていくという新しい挑戦でもあります。
さらに「1UPきのこファクトリー」というブランドにすることで、スーパーや飲食店さんにて販売されているのを見たり、1UPを使用している飲食店さんで食べることができたり、たくさんの人が喜んでいたり知っている人が増えることで利用者様のやる気にもつながっています♪
1UPきのこファクトリーに込めた想い
ポップで明るいデザインの1UPは表向きでは某有名キャラクターから取っている?などいろいろな噂がありますが、別の意味がちゃんとあるんです!
1UP=レベルアップ
【利用者様のレベルアップ】
1UPは、利用者様が以前だったらできなかったことも、1UPで日々頑張ってもらうことでできるようになる。レベルアップをしていける場所。
「できなかったこと」というのは毎日通う・挨拶できるといった生活面のことも、包装や計量などの作業の面も全てのことです。
ただ作業をしてもらうのではなく、利用者様一人一人の生活が良い方向に進んだり、ステップアップできることも1UPでは大切にしています。
【工賃のレベルアップ】
就労継続支援B型事業所では、賃金ではなく「工賃」として生産物に対する成果報酬が支払われます。この工賃が一般的にかなり低くいのが現実です。なぜそこまで安いのかというと、工賃のもととなる売上がたたないから。そこで先ほどもお伝えした1UPというブランドにすることで、商品の価値を育て、多くの方に買っていただくことで売り上げにつながり、工賃が安いという概念を変えられるような取り組みをしています。
1UPでは頑張って毎日通った人に「皆勤手当」やコツコツとできることが増えた方には「能力手当」など頑張った分、対価として支払われることも取り組んでいます。
「自分が頑張って働いたから手当が増える。」それにより、さらに頑張りたいという気持ちにつながることを目的としています。
私たちが目指すところ
1UPはただ、椎茸やきくらげを栽培して売るだけではありません。
スタッフ・利用者様関係なく、みんなが力を合わせて良いしいたけ作りに励んでいます。ひとつの農家として対等に市場で闘って行きたいという思いがあります。
障害を理由に、限界は決めません。皆が無限の可能性を秘めています。
1UPという場所でスタッフも利用者様も大変だけど楽しい!喜んでもらえて嬉しい!など、何かを感じることができる場所にしたいと思っています。
きのこファクトリーで自分の成長を実感し、喜びに。
こつこつと1UP を積み重ねて行った先に、ゴールを迎え、新たなステージに挑戦して欲しいという思いのもと、日々頑張っています。